原発について思う

原発、再生エネルギーについて書いていきたいと思っています

増え続ける使用済み核燃料

核燃料の寿命

 政府の廃炉・汚染水対策関係閣僚等会議が開かれ、国と東京電力がつくる福島第一原発廃炉工程表が2年ぶりに改訂された。その廃炉工程表によると、使用済み核燃料プールからの核燃料取出し開始は、2023年頃からと計画されていたのが、5年延びて、2027~2028年度頃から開始されることになった。
 

 福島第一原発のように事故が起きた原発だけでなく、正常に作動している原発においても、核燃料は通常3年サイクルで交換される。  
原子炉から取り出された燃料棒は、崩壊熱や放射線を放出しているので、人間は近寄ることさえできない。すべての作業は、リモートコントロールで行われる。

 

使用済み核燃料の保管


 原子炉から取り出された燃料棒は、原子炉建屋内にあるホウ素を添加した水を満たした、使用済核燃料保管プールに入れられる。

f:id:mirai-miraikun:20191229002304j:plain

 プールの写真。(電気事業連合会のWEB写真を張り付けています)


 当然、熱いものを水に浸けるのだから、水温は上昇する。燃料棒は常に冷やし続けなければならないため、水を循環させる必要がある。
 東京都市大学の丹沢富雄特任教授も、「5年間は常に水を循環させなければならない」と、おっしゃっている。
 核燃料取出しは、燃料棒が十分冷えてからである。現在貯蔵されている使用済み核燃料の量は、ウラン量で約19,000トンもあるという。そのため燃料棒を水中に沈めておく棚の間隔を狭くする、リラッキングという方法がとられている。

 

増え続ける使用済み核燃料


 3.11の大地震が起きた時、福島第一原発の4号機は定期点検中だった為、原子炉に核燃料はなかった。それなのに、水素爆発が起きたのだ。それは、電気系統の故障で貯蔵プールの水が循環できなくなり、水が蒸発し燃料棒が露出した為、発生した水素が爆発したのである。
 前述した東京都市大学の丹沢特任教授は、使用済み核燃料について、「従来、炉内の燃料に比べてエネルギーが少ないため、冷やしておけばいいと考えられてきたが、圧力容器や格納容器がない分、影響が外に及びやすい」とも、述べておられる。(いずれもJIJI.COM 〔特集〕東日本大震災・関連情報より抜粋)


 そして、原発が稼働している限り使用済み核燃料は増え続ける。しかも、ほとんどの原発は燃料棒を冷却するプールは一杯で、その余地はほとんどないのである。